サイエンストーク スペシャル講演

3月2日(木)Swedish University of Agricultural Sciencesの教授で,The Royal Swedish Academy of SciencesのフェローであるRoland von Bothmer氏を本校にお招きしました。約30名の生徒が世界をまたにかけて調査研究をされている先生のお話に耳を傾けました。

 まずは,先生が設立に携われたノルウェーにあるスヴァーバル世界種子貯蔵庫についての紹介ビデオを観賞した後,Science and Biodiversity-use and conservation of genetic resources for the future-と題した講義を聴きました。多様性とは何かから始まり,食の豊かさや供給量を守り維持していくには,種子の保存が有効であることや世界中にあるGene Bank(種子銀行)のバックアップのために世界種子貯蔵庫があること,戦争や気候変動によって破壊されないように海抜130メートルの場所にある堅牢な施設であり,マイナス18度の最適な温度に保たれていること等,興味深い内容を知り,生徒も大いに刺激を受けていました。日本の種子(オオムギ)のサンプルもあるそうです。最後には,Which planet do you want, blue or brown? と投げかけられ,食糧の安定供給を維持する取り組みの必要性を強く感じました。

 後半は,先生の半生について,植物学に興味をもったいきさつや,岡山大学資源植物科学研究所の客員教授として倉敷に滞在されていたことも含め,世界各地を調査研究で転々とされている経験についてのお話でした。先生の今現在の関心は,アブラナ科の植物(キャベツ,かぶ,カラシナ等)にあるそうです。

 研究を志す人に必要な素質として、keep your curiosity.  Keep interest for people and new experiences.  Luck and coincidences-Take the chance!  To have fun. 「好奇心をもち,人や新しい経験に関心をもちなさい。運や偶然も大切にし,ぜひ挑戦してください。最後に,何でも楽しむことですよ」というメッセージをいただきました。 

 講演後,生物や研究職に興味をもっている生徒からの質問にも丁寧に答えてくださいました。世界中で研究するにはどうしたらよいですかという質問には,「興味のある分野を見つけ,それに特化したリサーチができる大学を探すこと,また日本人の研究者が少ないのでぜひ海外にでて頑張ってください」という励ましのお言葉もいただきました。