人権教育講演会「心と命の教育活動」

 11月17日(月)、「働く前に知っておきたいワークルール〜生きることと、働くこと〜」と題して、弁護士の石田麻衣先生による講演会が開催されました 。この講演会の最も大切なメッセージは、「働くことは、本来、あなたの心と命を輝かせるための手段であり、決して苦しめるものであってはならない」ということです 。ここでは、講演会全体を通して学んだ、皆さんの心と命を守るための3つの重要な教訓をまとめます。

1. 働くことは「お金の奴隷」ではない

 私たちは、人生を楽しく充実させるために仕事をします 。石田先生は、働くことは、お金の奴隷になるためではなく、自分が社会に価値提供をするための手段であり、自分自身を輝かせるためのプロセスだと強調されました 。人は食べることに困らなくても、陶芸や絵画などクリエイティブな活動をしたり、人の役に立つことをしたいと感じたりすることが分かっています 。仕事はたくさんあり、ここじゃないと駄目ということはないし、脅されてやるものでもないのです 。

2. 雇用契約は「対等」な関係である

 皆さんは「雇ってもらう方が弱い」と思っているかもしれませんが、法律上、雇い主(使用者)と働く人(労働者)は基本的には対等な関係です 。また、給料は合意した契約内容が優先されるため、雇い主が勝手に時給を下げたり 、軽いミスで解雇(クビ)にしたりすることはできません 。また、研修や休憩中のミーティングなど、雇い主の指示下にある時間はすべて給料が発生する労働時間です 。セクハラやパワハラは論外であり 、不当な要求に応じる必要はありません 。

3. 「おかしい」と感じたら、我慢せず相談する

 日本では、過重労働やハラスメントにより、働く人の心と命は危険にさらされています 。過労による障害の労災支給決定は年間1,304件に上っています 。仕事が自分の健康や幸せを損ねるようなものであるときは、すぐに立ち止まって考えましょう 。苦しいことや脅されていると感じたら、我慢しないでください 。自分の心と体を守るのは自分自身です 。もし相談が必要になったら、違法な業者ではなく、お金がかからない労働基準監督署(労基署) や 労働局(役所) 、または弁護士の法律相談 など、公的な機関や専門家に頼りましょう 。