2011年4月25日 のアーカイブ

1年生一日総合学習(H23.4.22)

2011年4月25日 月曜日

1年生が総合学習で,備前市に出かけました。当日朝はあいにくの曇り空ですが,7台のバスは一路元気に備前焼窯元備州窯へ向かいました。

  

手順について説明を受けた後,事前に計画していたとおり,思い思いの作品を制作しました。ギャラリーで予習した成果は出ているでしょうか。時を超えて残る美術品の奥深さを感想に残した生徒もいました。このあと乾燥,焼成を経て夏頃に到着するのとこと。緋襷の入った仕上がりが楽しみです。その後パスで閑谷学校へ移動しました。

ここで雨が少し激しくなり,昼食はバス周辺で取ることになりましたが,バスという狭い空間が逆に幸いして、クラスの仲間と親交を深めることが出来ました。ここから講堂学習と散策の二手に分かれます。


講堂学習では、国宝の講堂の解説を受けた後、論語の唱和を行いました。設立当初の学生達が抱いていた学ぶことの喜び、学問を身につけたあとの夢の重みを、講堂内に張り詰めた空気の中で感じ取ることができました。講話の内容は礼儀の大切さ、感謝の気持ち、教えの意味を自ら考えることなど、ビギニングセミナーや普段の授業で繰り返されていたことと驚くほど重なっていて、300年の時を隔てても学問の本質は変わらないことを感じさせるものでした。「性相近し,習わば相遠し」(学問により生来の素養に差が付く)という言葉は,青陵高校での生活を経験した今では多くの生徒の耳には違って聞こえたようです。講話のあとは講堂を心を込めて清掃しました。当たり前のように学問ができる現在の環境に対して改めて感謝の気持ちを持ったとの感想が多く見られました。

  

資料館の見学では、閑谷学校の設立から現在に至るまでを書画や文書、模型などを通じて学習しました。教科書や資料集の写真でしか見たことのない人物の遺品や書跡に熱心に見入ったり、当時の面影をたたえる作品や古文書の解説を一字一句目で追う生徒の姿がありました。小雨に濡れた閑谷学校は薄暗さの中にも桜がまだ少し残っており、芝生が映え、晴れの日とはまた違った趣があります。

仲間作りと郷土学習を通じて、今後の学校生活を送る上での糧を得てくれることを期待した今回の一日総合学習でしたが、生徒の感想はどれも素晴らしいもので,青春の陵で学に志す十五歳には貴重な経験となりました。本日お世話になったすべての方々に感謝を申し上げます。